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憑神/浅田次郎

あけましておめでとうございます。

2008年1冊目、浅田作品で幕明けです!

憑神 新潮文庫
浅田 次郎
税込価格 : ¥540 (本体 : ¥514)
出版 : 新潮社
サイズ : 16cm / 357p
ISBN : 978-4-10-101924-6
発行年月 : 2007.5
@niftyBOOKS~アット・ニフティブックス

妻夫木くん主演で映画になり、米米のテーマソングが付き

エンターテイメント作品としての面白みと、浅田作品らしい

どうにもならないもの悲しさが絡みつつ、ラスト10ページで

全て総ざらいしてエンディングに辿り着く、見事な作品でした。

彦四郎のことは、読めば分かるというか、読んだ人が

感じるまま真っ直ぐだと思うので、彦四郎を慕う小文吾のこと

ちょっとだけ考えてみようと思います。勉強も剣術も不得手で

世の生き方というか、人との関わり方も、上手じゃなかった

小文吾。彦四郎にとって、彼が最高最上の友という名の

守り神だったんじゃないかなぁと思いました。彦四郎は、最後

自分の死に場所を決めて、そこへの花道も自分で作って

堂々と身代わりとして馬を走らせていくんだけど、その道筋

一度も小文吾に「お前は帰れ」とか「逃げろ」とは言わない。

言ったところで小文吾は、何かそれらしい理由をつけて

引き下がらないことは分かっているし、小文吾のことだから

こっちが何か言わなくても、引き際を分かって、どこかで

自分からいなくなってくれるかもしれないという、言葉が

要らない特別なものがあったんじゃないかなぁと感じました。

たぶん、小文吾は、彦四郎と一緒に死ぬ覚悟が最初から

あって、身を引くことは考えてもいなかったとは思うけど

でも、彦四郎がどんな立派に最後をとげたか、家族に

伝えられるのも小文吾しかいないから、逃げてもいいし

逃げずに彦四郎と戦い抜いてもいいし、小文吾の自由。

この作品の映画化にあたっては、主人公・彦四郎はもちろん

小文吾も、そば屋のオヤジも、気の強い兄嫁も、根性なしの

実兄も、意地悪な元舅も、神様たちも、みんなやりがいある

いいキャラで、みんな楽しかったんじゃないでしょうか。

ものすごいエンターテイメント作品で、コメディだけど

1枚めくると、色んな人の境遇や感情がすごい溢れてて

すくってもすくいきれなくて、その背景に時代は容赦なく

流れていき、人々を翻弄する。時代や世論に流されず

自分やご先祖の義を通し、神の采配にも揺るがされず

自らの死に場所を定め、死んでいく強い魂。見事でした!

次は、田中芳樹さんの「ドラよけお涼様」です。アニメ化?


浅田次郎作品過去ログ

◎鉄道員->ネタバレ

◎天国までの百マイル->ネタバレ(其の壱其の弐

◎壬生義士伝->

ネタバレ(其の壱其の弐其の参其の四其の五其の六其の七

◎椿山課長の七日間->読中ログ1読中ログ2ネタバレ1ネタバレ2

◎地下鉄(メトロ)に乗って->読中ログネタバレ

◎中原の虹・第一巻->26ページ163ページ読了

◎中原の虹・第二巻->50ページ120ページ

◎浅田次郎 新選組読本->感想

◎憑神->感想

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