はてしない物語(読中ログ2)
バスチアンが、人がぶつかりあうことのない
個性の無い街から、霧の海を渡っています。
「私」という言葉を持たない人たち、名前もなく
いがみあうことも無いということは……つまり
憎み合うことが無い。そして、愛し合うこともない。
世界には、たくさんの人がいて、統一された一つの
意識では、文化も生まれず、つまらないだろうと
思っていましたが、それだけではないと教わりました。
自分の中に確かにある、憎しみという心。それを
自分の中にあっていいものなんだと、受け入れて
いいんだと教わった、宮部さんの「ブレイブ・ストーリー」
和製ファンタジーとして「はてしない物語」と
比較というか、並べて評される理由が分かりました。
自分の中の憎しみを受け入れて、はじめて
他人の愛の意味を知ることもできる。
愛されたいと渇望する。愛されるためには自分に
何が必要なんだろうと、考え始めることができる。
今までの自分をかえりみることができる。
だけど、バスチアンは、もうほとんどの過去を失い
かえりみることができない。自分を取り戻せるか!?
頭の中のBGMは、ハウルの「世界の約束」です。
こういう展開になると、あの映画のテーマソングが
あんまり似合ってなかったような気がしてきます。
もちろん、あれはあれでいい曲なんですが。
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