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白虹は天をめざす(彩雲国物語)

大のスポーツ観戦好きで、大阪・世界陸上を見ない夜は

ありませんでしたが、もちろん、TVにも、睡眠にも、その他

どんな誘惑にも負けずに、集中して、読み終わりましたっ!

読む前、心がけていたのは、心を揺るがさず、物語に

より集中して、一言一言、逃さず、意(気持ち)をくみ取ろうと

それだけ願って、意識を切らさずに、息をこらして読みました。

これだけの、文章を書ききるには、作者さんも、そうとう

集中し、だけど、世の中へのアンテナも張り巡らして気を配り

その上で、膨大な登場人物の気持ちを潰さないように、だけど

その信念を貫いて、あるいは隠し通して、すごい大変な

作業だったと思う。これほど、洗練された、1行も無駄の無い

ライトノベルを描くには、おそらく、そうとう推敲したと思います。

原稿は、倍、もしかしたら3倍くらいあったんじゃないでしょうか。

それほど濃縮された内容で、なのに読みやすい1冊でした。

読んでない方は、この下は、読み終わってから読んで下さい。

彩雲国物語 角川ビーンズ文庫 白虹は天をめざす
雪乃 紗衣
税込価格 : ¥540 (本体 : ¥514)
サイズ : 15cm / 286p
ISBN : 978-4-04-449914-3
発行年月 : 2007.9
@niftyBOOKS~アット・ニフティブックス

藍州編。主人公は、劉輝かな?裏の主人公は、もちろんシュウエイ。

強力サポーターは、秀麗・蛍、他たくさん。裏サポーターに黒狼。

でも、作者さんが言う、影の主人公。決して、主人公らしい場面は

1つもなかったんだけど、それでも、この藍州編をしきっていたのは

榛蘇芳(タンタン)でした。--と、私は読みましたが、もちろん

違う解釈もあると思います。そういう方は、どうぞトラバを

張りつけて下さい。ぜひ、感想読ませて頂きたいと思います。

たくさんの考え方、視点、未来を念頭において読みたいので。


たくさんの人の想いが繋がって焦点を掴み、何人かの本人が

知られたくなかった素性や過去が分かり言葉にならない想いが

増し、その一方で、今までは明るい希望しか見えてなかった

未来に、闇のように渦巻く陰謀と、それが、ただの出世欲ではなく

それぞれが、この国の未来を見据えた、思い描く、あるべき

国の姿なのだという切なる願いが溢れていて、見えたものより

分からなくなったもの、見えなくなったものがより多かったです。


秀麗のことについて焦点をあてて書くと、彼女は、ただ

身体が弱いとか、妊娠できない身体の女性ではなくて

……もしかしたら、人でなくなってきてるのかもしれません。

たぶん秀麗自身は、そういうこと、あんまり何とも思ってなくて

実際、事実を知ったところで「あら、お得な体質?」程度に

しか思わないかもしれないんですが、だけど、もしそれが

体質変化だけで留まらず、精神的にも変わってきたら……。

ラスト、鏡が割れた後、1シーンの表記がぬけています。

描かれていません。秀麗が意識を手放して、何をしたか。

あたかも、龍連の笛の音が、止めたようにも描かれてますが

違うかもなぁ。お姉さま消えたことで、当主か、息子リオウが

来て、止めたんじゃないかなぁ……なんて、勘ぐってます。


劉輝にとっては、大事な時間だった。自分で言ったように

「自分探しの旅」だったのだと思う。それに気がついて

迷わない自分の意も手に入れて、シュウエイを連れて

今度は、もう一方の片腕を掴まえる為に、都に戻るっ!

この船上で、劉輝は秀麗を、意図的に?追いつめます。

「期限を設け、それまでに頷いたら、嫁になってくれ。

そうでなければ、待たずに、十三姫を妻にする」と。

たぶん、ここから、劉輝は遠慮なく秀麗を落としに

かかってくるでしょうね。どういう作戦でくるか、楽しみです。

今回は、藍家に関わる皆様の、たくさんの繋がりや現在の

立場、過去の出来事、そこに残したままの想いなど

たくさん読むことができましたが、おそらく、次は、紅家。

コウユウも、おそらくは、紅家や黎深と、立場を分けて

だけど心はずっと親子のままでいることを選ぶだろう。

でも、それだけじゃないと思います。もしかしたら次は

コウユウではなくて、監察御史として、秀麗の立場が

問われるかもしれません。その為に、その前に、燕青が

茶州からやってきたんじゃないかと……。本人はもともと

紅本家とは絶縁状態で、中のことも実状も知らない。

紅家として、自分どれほどの立場にあるのかも

本人は読者以上に分かってないのかもしれません。

過去も家系図も、あんまり分かってない。だから黎深が

おそれる、最も最悪の展開で、おじさんが当主で、自分の

後見だと知ってしまう可能性が、物語展開上あり得ます。

そんなもので揺らがない秀麗だろうけど、クロウおじさまや

その家族に迷惑をかけることは、絶対望まないでしょう。

秀麗は何を選ぶのか。


玉座につける人物。劉輝、清苑公子。この他に複数。

オウキと……誰でしょうね。……ユウシュンなのかな?


◎彩雲国物語、感想ログ

心は藍よりも深く(2005.10.04)、光降る碧の大地(2006.01.30)

藍より出でて青(2006.04.02)、紅梅は夜に香る(2006.08.30)

緑風は刃のごとく(2006.09.30)、深き眠りの水底で(2007.02.07)

鈴蘭の咲く頃に(2007.07.29)、白虹は天をめざす(2007.08.30)

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