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リカ/五十嵐貴久

夏の夜の為の、背筋が凍る……ネット・ホラー。

人によっては、逆に、背中に嫌な汗が流れるかもしれません。

この恐怖は、10年ぶりくらい。貴志さんの「黒い家」以来。

ホントに怖いのは、幽霊でも、ネットでもなく、生きてる人間。

個人的 恐怖度:★★★★★★★★★☆(90%)

個人的 衝撃度:★★★★★★★★☆☆(80%)

リカ (幻冬舎文庫)
五十嵐 貴久
税込価格 : \630 (本体 : \600)
サイズ : 文庫 / 406p
ISBN : 4-344-40439-4
発行年月 : 2003.10
@niftyBOOKS~アット・ニフティブックス

ちょっと火遊びのつもりで、あるいは、恋愛かけひきゲームの

つもりで、手を出した「出会い系サイト」自分が主導権を握って

釣ってるつもりだったのに、食いついていたのは、火遊びとか

かけひきなど、当たり前の感覚が通じない「自己愛女」

「この人にハマりすぎて、周りが目に入らないわ~」なんて一瞬

舞い上がって、多少周囲に迷惑をかけることは、恋愛中には

よくある話で、普通は目が覚めれば「何してたんだろう、私」って

後日、失敗談や、笑い話、苦い思い出になるもんなんですが

そもそも「誰かを愛する、自分を愛してる人」には、その誰かの

意志も、言葉も、立場も、何も関係ないわけです。全ては自分。

思うに……、実際に犯罪に走らなくても、この手の女は多いと

思うんです。独占欲が異常に強くて、美人で、個性的で、外面は

抜群にいい。--芸能人に、ありそうなタイプだと思います。

そこに、激高と憎悪が加われば、犯罪にはならなくても

簡単に、救急車や警察沙汰にはなるんじゃないでしょうか。


所詮は、男から手を出して、つり上げた「ネット恋愛」だから

誰もが、本間さんの気持ちを心から察することができない。

きっと誰だって「あんたが蒔いた種でしょ」と思ってしまう。

だけど、依頼を受けてた探偵が死に追いやられ、ようやく

警視庁が本腰を入れて捜査にかかろうとしても、手がかりが

無い。そもそも、実在する人物なのか?という点から始まる。

そうこうするうちに、リカはものすごいスピードで至近距離に

詰め寄ってきて、本間個人ではなく、娘を拉致してしまう。

家族に手を出された本間は、決着を付けるためリカに初めて

会うことを決めるが……、ものすごいラスト。クライマックスの

どんでん返し。久しぶりに、めちゃめちゃ怖かったです……。


小説の半ばで、探偵・原田さんが言った言葉なのですが

「ネットは、有史以来はじめて、個人が世界に情報を発信する

ツールで、そこには、マスコミの常識とか法律とかが無い。

人の悪意が、甘く美味しい言葉で、世界に浸透していく」

私も、これほど便利で、素晴らしい出会いもあるツールで

嫌な経験をしたことが、何度かあります。オークションなど

参加するリスクを承知していたものなら、最初から覚悟は

あるんです。「これも、勉強」って。でも、そうじゃなくて……。

守る為に、法律を作る。規則が無いのがいけない。

そんな風に、どんどん可能性をつみ取っていくんじゃなくて

現実でもネットでも、たくさんの人が生きてる共有の世界

というモラルをもって、その上で、みんなが自分らしく

生きられたらいいのになぁと……思います。


◎五十嵐貴久、読書ログ:交渉人、リカ

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