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バッテリー(1)/あさのあつこ

このタイトルとコミック版の表紙から、なんとなく少年野球の世界

なんだろうなぁと、スポーツマンガのイメージで読み始めたのですが

まさか、文庫の小説から「ultra soul/B'z」が聞こえてきそうな

抑えられない激情と、込み上げる情熱をぶつけられるとは

全く予想していなかったので、カウンターというか、衝撃的でした。

バッテリー (角川文庫)
あさの あつこ
税込価格 : \540 (本体 : \514)
サイズ : 文庫 / 262p
ISBN : 4-04-372101-3
発行年月 : 2003.12
@niftyBOOKS~アット・ニフティブックス

純粋無垢、清廉潔白、白黒はっきりどころか白しかない。

巧の研ぎ澄まされた鋭利な神経と、己の自信に満ちた姿は

昔の自分そのものでした。恐い物なんか何一つない。

憧れの選手も、尊敬する人物も、そんなものは存在しない。

文章を書くのが好きな私が学生時代、唯一悩んだ作文テーマは

「尊敬する人」そんな人に、出逢ったことなど一度もなかった。

学校の先生だって、子供だと思って、上辺だけで真正面から

向き合わないし、親だって大事なのは自分の立場。私を

敵だと、真正面から向き合ってぶつかってくれるのは、厳しい

塾の先生たち。それでも自分と対等であって、上ではなかった。

今思えば、これほど高慢チキな子供は、逆に笑われかねない

世間知らずなのですが、でも、当時は世間もどうでも良かった。

己という自信とプライドを掛けて毎日闘うだけ。これほどの個性を

見守るか、壊して叩き直すか、それとも既に手が付けられない程

気位が高くて、どうしようもなく見守るしかないか……。巧はそう。

誰も何も言えないレベルに達している。分かっていないんじゃない。

分かっているからこそ、その個性を壊したくなくて、侵したくない。

--守られている。巧は気が付けるだろうか。


そんな巧が、唯一、自分と野球以外に気を配っているとすれば

それは弟・青波のこと。これは、もう無意識の刷り込みみたいな

もので「自分が守るべきもの」として精神にインプットされている。

だから、青波に何かあったかもしれないという、些細な不安が

精神バランスを崩し、無理をして身体を壊すまでになってしまう。

弱点。豪はそう言ったけど、この弱点は本人が認識することで

周りが思う以上に、もっと大きな弱点になってしまうものかも。

その為の「バッテリー」なのかな。


真っさらな巧の心は、墨汁が一滴落ちると、灰色にも黒にもならず

おそらく一瞬で崩壊してしまう。私もそうだったから、良く分かる。

他人の世界を受け入れるまで、その沢山の世界で生きることを

決意できるまでに半年以上かかりました。巧はどうだろう?


あさのあつこ読書ログ

☆バッテリー:(1)

☆NO.6:(1)

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