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地下鉄(メトロ)に乗って(ネタバレ)

<-読中ログ


昨晩、サラ・ブライトマンの生ライブを見るために、Mステを

見ていたら、ちょうど映画「地下鉄に乗って」のテーマソングが

流れてきました。「あの頃は~♪」聞く人、読む人によって

「あの頃」は、それぞれ違う。巨大メトロの中を行き来する

たくさんの人たちが、抱える過去や現在の消えない苦悩。

地下鉄は、ずっとずっと昔から、その中を走ってきたんですね。


地下鉄(メトロ)に乗って (講談社文庫)
浅田 次郎
税込価格 : \580 (本体 : \552)
出版 : 講談社
サイズ : 文庫 / 313p
ISBN : 4-06-264597-1
発行年月 : 1999.12
@niftyBOOKS~アット・ニフティブックス


未だ、地下鉄の計画さえもない北国の田舎OLが感じた想いと

30年、40年地下鉄に揺られて、都心を作ってきた団塊の世代

ベビーブーム期の方々が抱いた想いは大きく違うと思います。

今まで浅田次郎さんの作品を読んできて、こんなにも不安な

気持ちで読み終わったのは、初めてです。大どんでん返し、

大円満、みんな丸く収まった、よかったよかった、という結末が

多かったもので、今回も、紆余曲折あって色々教わって、そして

ハッピーエンドに辿り着くだろうと安心しきって読んでいました。

逆でした。みち子は、最後にお母さんのおにぎりを食べて

自分の生を奪った。真次のお兄さんと同じように、自殺でした。

そして最後には、その記憶までも真次の中からも消えてしまう。

自分の心の中から、一番大事な人の記憶がなくなってしまったら

……想像するだけで、怖いです。不安です。この作品を映画に

しようと思った方がすごいです。引き受けた役者さんも強いです。

台本があって、舞台がある。でも、違う。人という不確定で

不安定な当たり前の要素を、全部そのまま描いた作品です。

成功する確証とか物事の正しさとか、正当な後ろ漬けが何もなくて

でもひたすら「自分らしく」生きてきた人たちの「想い」の物語です。


作家さんにとって怖いのは「書けなくなること」「感性が失われること」

「情熱が消えてしまうこと」なのかもしれません。読み終わった私が

感じたのは「この言葉に出来ない想いが消えてしまうこと」が怖かった。

だから、読み終わって直ぐPCに向かってます。

時間をおいたら言葉がまとまるかもしれない、でもこの想いは

失われてしまうかもしれない、だから今書かなくちゃいけない、と。

まともな読後ログは、心が落ち着いて、言葉がまとまったらUPします。


浅田次郎作品過去ログ

◎鉄道員->ネタバレ

◎天国までの百マイル->ネタバレ(其の壱其の弐

◎壬生義士伝->

ネタバレ(其の壱其の弐其の参其の四其の五其の六其の七

◎椿山課長の七日間->読中ログ1読中ログ2ネタバレ1ネタバレ2

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浅田次郎作品」カテゴリの記事

コメント

菜ノ花さん、こんばんは♪

「地下鉄(メトロ)に乗って」
もう読まれたのですね。
早いですね。

読もうと思っていたのに、菜ノ花さんのネタバレ、
読んでしまいました(笑)。
実は、私こういう本を読んだことがないのです。
恥ずかしい話。
でも、今度読んでみますね。

それから、私こそ、これからもどうぞよろしくお願いいたします。
楽しくお話しましょう♪

それでは、また遊びにきます♪

投稿: maxim | 2006年11月 4日 (土) 21時15分

ジローさんの物語にしては、とても儚いラストでしたね。
とても怖くて悲しいラストだったけど、私なぜかこういうラストが
結構スキなんですよ。
というか、自分が死んだら跡形もなく皆に忘れて欲しいと
強く願っているんです。
なにごとも無かったように、また皆で笑って欲しいというか
なので、とても自然に薄れてゆくみち子の記憶が
きれいに輝きながらいつしか見えなくなってゆく
光のようで、とても羨ましかったです。
しかし、自分が誰かを失って、忘れる方になるとしたら・・・・。
やっぱ、辛いですね!!!耐えられません。
うん、やっぱ悲しい物語でした。

投稿: ベリー | 2006年11月 4日 (土) 21時36分

maximさん、こんにちは。
読み終わって、かなり動揺したまま書いたので
ネタバレっていうか、ボロボロでした(笑)
浅田作品は、私にとっても「畑違い」「路線間違い」
という感じでした。何故「鉄道員(ぽっぽや)」を
手にとったのか、その経緯も全く覚えてないんです。
小説を読んで、自分が変わる、世界が変わるという
経験をしたのは、初めてでした。そういう影響を
受ける本って、人それぞれ違うのだと思います。
maximさんにもありましたら、ぜひ教えて下さいね。

投稿: 菜ノ花 | 2006年11月 5日 (日) 10時29分

ベリー夫人、こんにちは。
なるほど、自分が死んだら・・・と考えると
誰かの記憶も一緒にもっていけたら、いいかも。
みち子が自分の命を奪ったから、生きた事実が
無くなって、記憶が薄れたんじゃなくて、みち子が
自分の意志で、真次の記憶を持っていったのかも
しれないですね・・・。ベリー夫人のおかげで
「地下鉄に乗って」の味わいが増しました!
ありがとうございます。
浅田さんってスゴイですね~。東京の時代の流れを
ずっと見つめてきたのか・・・と思わせる小説を
綴ったかと思うと、ラス・ベガスに吹っ飛んだり
中国の歴史に食い込んだり、国境が無い(大笑)
きっと、旅をする毎に書きたい事が溢れてきて
いつのまにか、こういう作品群になっていたのでしょうね。

投稿: 菜ノ花 | 2006年11月 5日 (日) 10時45分

ほんとジローさんは凄いです。
なんたって、一回会社を潰しているというのが
たまらなくカッコイイです。
なにかの対談で、「そんな状態なら潰した方がよかったのに~。」って(笑)
誰かに助言されていました!!
はてしなく器が大きいですよね。
いろいろな経験が人を大きくするっていいますけど
本当ですね。あくまでも自分がプラスであれば
いかようにも成長できるのですね~。
ほんの少しでも私もそうなりたいです。

投稿: ベリー | 2006年11月 6日 (月) 17時29分

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地下鉄(メトロ)に乗って講談社このアイテムの詳細を見る 浅田次郎 著 : 地下鉄(メトロ)に乗ってを、読みました。今秋映画公開予定のこの作品。その情報を知らずにタイムリーに手に取りました。なので、宣伝番組をみるととても得した気分です〜。主人公、小沼真次は小さなアパレル会社に勤める35歳。下町の小さな会社から、スーツケースを引いて毎日地下鉄に乗って営業に出かけます。あ... [続きを読む]

受信: 2006年11月 4日 (土) 21時38分

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