« ホタルノヒカリ(6) | トップページ | 紅梅は夜に香る(彩雲国物語) »

最悪/奥田英朗

熱帯夜の時は、さすがに長湯も厳しかったのですが

ようやく涼しくなってきて、半身浴でミステリーも再開です。

でも、今回はミステリーではなかったようです。

世の中に今も普通に溢れてる、人それぞれの苦悩が

とある一つの共通点で、偶然にも巡り会ってしまった

生き方の違う3人の数ヶ月をちょっとのぞいてみたお話。

最悪 (講談社文庫)
奥田 英朗
税込価格 : \920 (本体 : \876)
出版 : 講談社
サイズ : 文庫 / 656p
ISBN : 4-06-273534-2
発行年月 : 2002.9
@niftyBOOKS~アット・ニフティブックス

人生その1:川谷さん。小さな町工場の社長さん、ようやくバブル期の

ツケを払い終え、大儲けはないけど、家族と従業員となんとか食べて

いる。マンションの住民たちと、騒音トラブルを抱えて苦悩中。

人生その2:のぞみちゃん。都銀につとめるOLさん。お金持ちの

おじいさんに気に入られている。実はちょっと家庭環境が複雑。

人生その3:和夫。父親が蒸発、母親が男つくって子育て放棄。

本人も傷口が分からないほど、傷みが麻痺するほど、傷ついて

生きたきた青年。ただのパチプロ人生が、いつのまにか組問題?

それぞれ、何も起こらなければ、平穏に過ぎていくだけの日々が

ほんの些細なことで、ちょっと揺れて、ちょっと揺れた為に

仕方なく少し折れて、少し妥協しただけのつもりが、いつのまにか

のっぴきならない状況になっていた・・・。生きること、生き続けること。

死ぬこと、死ぬ為の理由。幸せになること、楽になること。辛さ、重み。

人と生きること。たくさんの人の世界で生活すること。摩擦。

日本の現状。格差社会。色んな事を思いながら読みました。

登場人物みんなと色々話したいと、感じました。

足りないのはコミュニケーション。そんなことは分かってる。

でも、そうなの。まるで人種が違うかのように、生活から

何もかも違う人たちが、顔会わせて会話することなんて

なかなか無い。例えあっても、会話にならずにこぼれていく・・・。

この物語は、結局誰も救われない。みんなで傷を背負っただけ。

自分の為に、それぞれが一人でなんとか、また歩き出しただけ。

だけど、どうか、一つの事件に関わった、たくさんの人の人生を

ちょっとでいいから、考えて欲しいとそっと願うだけの、物語・・・。

|

« ホタルノヒカリ(6) | トップページ | 紅梅は夜に香る(彩雲国物語) »

半身浴で読書」カテゴリの記事

書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/136751/11663828

この記事へのトラックバック一覧です: 最悪/奥田英朗:

« ホタルノヒカリ(6) | トップページ | 紅梅は夜に香る(彩雲国物語) »