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壬生義士伝(其の五)

まだ書くか、お前はホントに20代のOLかってな勢いですが、これ含めて

もう1日くらいは書けそうです。書きながら増えるかも(ごめんなさい)。

「鉄道員」の感想をUPした時にも書きましたが、私にとっても

浅田次郎作品との出会いは、ホントに畑違い。友人の誰が聞いても

「路線間違い?」と受け取ると思います。自分の中でも衝撃的で

且つ、人生やおそらく私という個性を変動した物語なんです。

ええと、今日こそ「とんぼの尾っぽ」のお話でした。さっさといきます。

壬生義士伝 上 (文春文庫)
浅田 次郎
税込価格 : \660 (本体 : \629)
出版 : 文芸春秋
サイズ : 文庫 / 463p
ISBN : 4-16-764602-1
発行年月 : 2002.9
@niftyBOOKS~アット・ニフティブックス

この「壬生義士伝」というのは「壬生」→「新撰組」について、自分の足と

耳でお話をかき集めた、子母沢寛さんという実在の小説家(書生さん)の

目線で描かれたお話です。子母沢さん自身は、本物の斎藤一さんにも

お話を伺うことができたのでしょうし、隊士の残した書物なども手に取って

読まれたんだと思うのですが、吉村先生や、まして嘉一郎君にまつわる

部分の大方、つまりこの小説の主軸は浅田次郎さんの中で生まれたもの

だと思われます。嘉一郎君はホントにできた長男で、最期の母上にあてた

短い独白の懺悔以外で、自分の心を吐露することはありませんでした。

だからこそ、あの真っ直ぐで、汚れなく、死にゆくのに洗われるシーンは

心に響きます。青空と、白い雲と、風にゆれる菜の花と、たわむれる蝶々。

不器用すぎて、自分が不器用なことさえも他人に伝えられずに誤解されて

自分だってそうなのに、最後まで父のことを想って、母のことを慈しんで

残してきた妹と弟に詫びながら、父と一緒に行くための自分の我が儘で

死ぬことを選ぶ。父は許さないだろう、怒るだろう、そんなことも分かっていて。

どうぞ好きなくらい怒って欲しい、ダメだと言ってもずっと側にいるから。

死ぬことを良いことだとは言えないけど、自分の我が儘を言うことや

誰にも譲れないものを守ることは大事だと思う。私にとっては読書です。

紙の為に働いています。納税の為ではありません(笑)

いえ、納税は義務だし、勤労と教育も同じく日本人の義務ですね。

だから、どうせ働くのだったら自分のエゴの為に働いた方が楽しいです。

辛いことも、苦しいことも、悔しいことも、たくさんあります。傷つくことも。

傷をえぐられることも。その度に毎回傷ついていいんです。痛みを知る。

そうすれば、誰かがそれを言われたときの痛みが少し見えると思うから。

私が吉村先生や嘉一郎君から教わったことは、話尽きません。

私が生きる土台が何なのか、それを考えるきっかけだったんです。

あぁ、そうか、私だけではないですね。あんなに死に場所を求めていた

斎藤さんが、どんな惨めになっても、どんな境遇になっても天寿まで

生き続けたのは、彼も何かを受け取ったからなのかもしれませんね。

いえ、ほとんどは浅田さんのフィクションだとは分かっているのですが

でもやっぱり、吉村先生は私の先生です。斎藤さんにとっては戦友かな。

次は最後になる予定。次男・貫一郎君が降り立った盛岡駅のホームと

私自身のその後のこと、家族のこと、今の私のことを書こうと思います。

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