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壬生義士伝(其の六)

小説を読まれた方、10時間ドラマをご覧になった方は分かると思うのですが

2時間という映画の枠の中に、2人目の吉村貫一郎君は入りませんでした。

壬生義士伝 4枚組

価格: ¥15,960 (税込)
出演: 渡辺謙, 高島礼子, その他

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次男・貫一郎君は、その後、越後の大きな農家にお世話になり

そのご恩に報いるため農業を志し、米の品種改良の研究を進め

維新からおよそ40年後、農業高校の教授として盛岡に戻ってきます。

盛岡農業高校は、あの宮沢賢治も教鞭を取った今も実在する高校です。

この小説は、盛岡に戻れなかった吉村先生の魂を持って貫一郎君が

盛岡駅のホームに降り立ち、景色を眺め、空気を胸いっぱいに吸い込む

シーンで終わります。これも、作り話ではなく、驚くべき偶然なのですが

私が、この小説を読み終わったのも、実は盛岡駅のホームでした。

まさか、ここで終わると思ってなかったので、読み終わった瞬間に

入ってきた電車と、周りの景色と、あまりの偶然が信じられずに

周りの人が何事かと驚くほど、キョロキョロ挙動不審になりました(笑)

何も無かった胸の中にわき上がる感情を抑えることができずに

ずっとドキドキして帰りました。読み終わったら、祖父に貸そうと

思っていたので、直ぐに祖父に上下巻セットで貸しました。

祖父が笑って「ズゥズゥ弁だ」と言うほど、やっぱり素晴らしい文章力でした!

父にも知って欲しかったのだけど、父は祖父や私と違って小説を読む姿を

それまで一度だって見たことがなかったので、諦めていたところに

なんと「壬生義士伝・お正月10時間ドラマ」のご案内が!しかも渡辺謙さん。

喜んで見ていたし、映画の試写会に一緒に行ったのも父でした。

旧家の跡取りとして、半分は男の子のように育てられたので

祖母や母よりは、祖父や父と話してケンカして平手をくらいました。

当時、私は無理をして生きていました。キャリア・ウーマンとして

羽ばたくため(実際にはバタバタもがいてただけ)高い衣服を身につけ

ブランド物のバッグを持ち、ファッションやIT、トレンドなど情報を得るため

たくさんの本を買い込み。仕事も忙しいのに寝る時間は数時間。

おかしくなって当然で、「壬生義士伝」を読んで色んなことに疑問をもち

仕事を辞めました。ITの仕事に未練がないかと言えばウソです。

あんなに楽しくのめり込める仕事は、私には無いと思います。

それでも立ち止まって、振り返る時間が欲しかった。

それまで一度だって認めてなかった他人の個性や世界と

一緒に生きられる覚悟ができるまで、だいぶ時間がかかりました。

そして今の私がいます。たいていの男性が「普通じゃない」と言います。

私にとっては誉め言葉なんですが、たぶん彼らに誉めたつもりはなく

どっちかというと「天然、不思議系、早く気づけ!」って感じでしょうね。

私は、気が付いたからこそ今の私。変えるつもりも染まるつもりも無し。

ただ、考えて、筋が通らないと思ったことは言わないしやらない。

逆に言われてカチンときても、筋が通っていれば認められるし謝れる。

まだまだ思考も未熟で、結果に辿り着くまでに時間はかかるけれど

それでも考えること悩むこと、状況をできるだけ読むことを大事にしたい。

はぁ、やっぱり書きながら、もう一つ残しておきたい優しい言葉を

思い出してしまいました。浅田さんの取材力と南部訛のことです。つづく

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